カテゴリー「62 田倉 一美」の7件の投稿

2018年1月31日 (水)

エイト社員ブログ「ランプの宿の動物たち」

 浅間山の麓からしばらくしたところにランプの宿がある。ランプの宿と言っても、それは昔の話で、今はちゃんと電気も通っている。
山奥の宿なので石鹸も使えないし、豪華な食事も出ないが、スノーシューやクロスカントリースキーを楽しむための拠点として最高の宿だ。

 冬にこの宿に行くのには、車道から1キロほどの雪道を歩いていくか、宿の雪上車に乗っていかないとならない。スノーシューを持ってきていたが、登山の帰りだったので雪上車に迎えに来てもらった。

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 ここの宿の魅力は数多くある。源泉かけ流しの温泉に、山奥ならではの満天の星空を見ることができる。私が特に楽しみにしていたのは、この宿にやってくる動物を見ることだ。宿の喫茶室の窓の前にエサ箱が置いてあり、それを求めて動物たちがやってくる。
 最初の訪問者はテンだった。私はテンに一番会いたかったのだ。登山をしていると様々な野生の動物に出逢うが、テンはとてもすばしっこく、あっという間に去っていってしまうので、じっくり観察したことはなかった。

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 テンはとっても可愛らしい顔をしていて、仕草も愛くるしいが、食欲旺盛な肉食だ。天然記念物の雷鳥も食べてしまう。

 隣でテンを見ていた女性が、「テンのあとにタヌキとキツネが来るわよ。テンが一番強いから、テンがいる時は
来ないの」と教えてくれた。本当にその通り、テンが去った後にタヌキがやってきた。タヌキと言えば、田舎に行った時に、車に轢かれて道の脇に横たわっているイメージしかない。よく見るとタヌキも可愛い顔をしている。

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 またまた隣の女性が、「キツネも来るけど、キツネはその場でエサを食べないから、あっという間に行っちゃうのよ」と教えてくれた。本当だった。「キツネだ!!」と言い、カメラを構えた時にはキツネはエサをくわえて去っていった。そのため、残念ながらキツネの写真はない。
 それにしてもタヌキもキツネもテンよりずっと大きいのに、一番強いのがテンとは不思議なものだ。

 動物たちに夢中になっていると、いつの間にか雪が降り始めていた。日中はあんなに天気が良かったのに、どんどん雪が激しくなっていき、この日は星空を見ることができなくなった。ガッカリしたが、会いたかったテンに会えたので満足だった。

 翌朝、また新たな訪問者が来ていた。リスだ。リスは夜の動物たちとは違って、警戒心が薄いようだ。いつまでも留まっていた。そして、やけに食べる。私はかつてカナダでリスの大群に遭遇し、可愛い姿とは裏腹の獰猛な一面を見てしまったことがある。日本のリスは小さくて弱そうに見えるが、この食べっぷりから見ても、カナダのリスと同じように獰猛なところがあるのかもしれない。

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 この宿での目的のうち、星を見ることと宿周辺のスノーシューを楽しむことは、天候が悪くて果たすことができなかったが、予想以上にたくさんの動物たちを見ることができた。
いろいろ伝授してくれた隣の女性と、姿をみせてくれた動物たちに感謝。

管理本部 田倉 一美

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2018年1月30日 (火)

エイト社員ブログ「黒斑山(くろふやま)スノーハイク」

 黒斑山は長野県にある2404mの山で、活火山である浅間山を囲む外輪山の一つだ。
スノーシューを楽しむつもりで来たのだが、積雪が少なかったため、本日はアイゼンとピッケルで登山を開始した。

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 登山開始時、登山口での気温は氷点下13℃だったが、この日は運よく晴天で無風だったため、気持ちの良いスノーハイクとなった。

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時として雪山は寒さが厳しく、強風でダイヤモンドダストが舞って視界を遮り、厳しい山行になることもある。雪山用の登山靴や装着したアイゼンの重さ、雪の重みで足に多大な負荷がかかり、急斜面はかなり辛い。
しかし、霧氷で真っ白くなった木々はとても美しく、静まり返った白銀の世界は感動する場面が多くある。時折動物の足跡を見つけることもあり、スノーハイクの楽しさは尽きない。

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 ガシガシと雪の斜面を1時間ちょっと登っていくと、まるでガトーショコラのような山が現れる。これが活火山の浅間山だ。

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浅間山は現在、噴火警戒レベル2になっており、火口周辺が規制されているため、何十年もの間登山が禁止されている。近づくことができない山だが、粉雪をかぶったこの姿はとても美しい。
この日も浅間山から真っ白い噴煙が上がっていた。

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 浅間山を眺めながら、急斜面を登っていくと、いよいよ目的の黒斑山の頂上になる。

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 ほとんど風がなく天候に恵まれた日だったが、頂上で少しの間休んでいると途端に体が冷えだしたので、早々に引き上げることにした。

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 それにしても今日は、最高のスノーハイク日和だった。今日も無事に下山できたこと、美しい景色を見せてくれた山に感謝。

管理本部 田倉 一美

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2017年11月24日 (金)

エイト社員ブログ「錦秋の谷川岳」

谷川岳は二つのピークを持つ双耳峰だが、いずれも2000Mにも満たない。
それでも気候の厳しさから、1500M地点から上は森林が育たず、急峻な岩壁を持ち、
紅葉時期の赤く染まったナナカマドと岩場の対比は素晴らしい景観だ。
この日の谷川岳の紅葉は色とりどりで鮮やかなまさに錦秋だった。

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山頂からの景観をスマホで撮って山好きの父に送ると、
「オジカ沢ノ頭だ」とすぐ返信がきた。

やけに詳しいなと思っていると、
「学生時代、先輩二人が遭難した場所だから。厳冬期にドカ雪に遭った」とのこと。
谷川岳は「魔の山」、「死の山」などの異名を持つ。山での死者数の多さが世界一で、
ギネスにも載っているらしい。
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 死亡事故が多いのは、クライミングルートがあることと、
気候が変わりやすいことにあるが、登りやすい一般ルートも多くある。

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  あまりに色鮮やかな風景に立ち去り難くなり、頂上でしばらく留まっていた。
こんなに紅葉のいい時に出逢えるのは滅多にない。紅葉の時期になれば、
雪が降ってもおかしくない気温となり、雪が降ると葉が傷んでしまい、
紅葉が台無しになってしまうからだ。

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 森林限界での紅葉は、下界の紅葉のような派手さはないのかもしれないが、
この壮大な山々が鮮やかに彩られている風景は、ここでしか味わえない。

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最高の紅葉を見せてくれた山に感謝。

管理本部 田倉 一美

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2017年10月18日 (水)

エイト社員ブログ「夏の終わりの燕岳」

燕岳は、北アルプスにある2,763mの山で、
「つばめだけ」と書いて「つばくろ」と読む。
この山は、北アルプスでありながら危険個所も少なく、
人気のある山の一つである。

 山頂は白い花崗岩からなっており、山容がとても美しい山だ。
私は花の咲く頃、紅葉の時期、残雪期と、幾度もこの山に訪れているが、
毎回違った姿を見せてくれる山だ。今年は夏の終わりに訪れた。

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 この山の魅力の一つが山頂と同じ稜線にある山小屋の燕山荘である。
この山荘は、稜線にあるので、夕日も朝日も両方楽しむことができる。
こんな立地だが、中はピカピカで、水洗トイレに、オシャレなカフェもある。
往復8時間弱の山なので日帰りも可能だが、山荘に泊まればもっと楽しめる。

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 今日は視界もスッキリで、夕日も見ることができるなと期待していると、
山頂から振り返った山荘の周りに、あっという間に雲が集まってきた。

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山の天気は気まぐれなので、思い通りになってくれないのだが、
ガスってくると特別天然記念物の雷鳥が姿を見せてくれる。

雷鳥の羽は周りの色に溶け込むような保護色になっており、
夏は土と同じ褐色、冬になると雪と同じ白い羽になる。
この時は下の方がすでに白くなりだしており、冬支度を始めていた。

天敵が多い鳥で、絶滅が心配されているのだが、
かなりのんきな性格のようで、人を怖がらずに無防備に近寄ってくる。
実は私は鳥が苦手なので、近づかれるとこっちが後ずさりしてしまう。

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 この日は急激に辺りが霧に包まれてしまい、
夕日を見ることはできなかったが、翌朝は見事な日の出を見ることができた。
日の出を見るために、ダウンやフリースなどを4枚も重ね着し、
手袋着用で日の出待ちをするのだが、
それでも10分もすれば凍えそうになってしまう。

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帰りは槍ヶ岳、穂高連邦を背にして下山。

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 再び、雲の下の世界へと戻っていく。

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今回も楽しませてくれた燕岳に感謝。

管理本部 田倉 一美

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2017年9月17日 (日)

エイト社員ブログ「山で体験する自然現象」

山では様々な自然現象に遭遇する。
山で遭遇する自然現象は、危険なものも多いが、
中にはとても神秘的で美しいものもある。

 山から見上げる空の色は普段見ているものよりもずっと濃い青だ。
空気と太陽光の関係が原因らしく、高度が上がれば上がるほど、
空は濃く見えるらしい。

理由はともかく、この紺碧の空を見ていると、清々しい気持ちになれる。

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 ビーナスベルトは、太陽が沈む時、もしくは昇る時、
それとは反対側の空に出るピンク色の帯のことを言う。
ビーナスベルトの下の青い影が地球影だそうだ。
ビーナスベルトが出ると、写真が下手でも普通に撮るだけで、
幻想的な絵を写すことができる。

 ちなみに下は言わずと知れた富士山。その下は槍ヶ岳だ。

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 太陽が出ているのに霧が立ち込め、山の稜線から見下ろした谷が
真っ白く覆われた時には、ブロッケン現象が現れる。
ブロッケン現象とは、霧の中に虹色の輪に囲まれた
自分のシルエットが映る現象をいう。
霧で山の壮大な景色が台無しになっても、これで少しは楽しめる。

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  山で虹を見る機会は多い。その形はアーチだったり、
ドーナッツ型だったりと様々な形を見ることができる。
環水平アークは、薄雲に虹色が現れる現象。
地震の前兆だとも言われているが、真偽のほどは定かではない。

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 この光の下にいると、昇天するのではじゃないか?と思えてくるのが、
通称「天使の梯子」。正式には薄明光線というらしい。
これも山でよくある光景だ。

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 山での自然現象は実際、酷い目に遭わされたり、
危ない目に遭わされたり、いろんなことが起こるのだが、
幻想的な景色や不思議な景色で楽しませてくれることも多い。
いつもワクワクさせてくれる山に感謝。

管理本部 田倉 一美

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2017年1月 8日 (日)

エイト社員ブログ 「燃える山・栗駒山」

今年の山の紅葉は、どこもイマイチだった。
度重なる台風と長雨の影響で、赤く染まるナナカマドやミネザクラ等の葉が、
染まる前に枯れ落ちてしまったせいだ。
しかし、宮城県、秋田県、岩手県をまたがる山、栗駒山の紅葉を観たくて、
何か月も前から宿と新幹線を予約していたのだから、やめるわけにもいかない。

しかし予定の10月の三連休は、予報では三日とも雨。
気分もどんよりしてくるのだが、山の天気は気まぐれ。晴天に見せかけて、
突然嵐になって死にそうな思いにさせられることもあるが、霧に包まれて
景色が楽しめない時に、突然霧がはれて素晴らしい景色を見せてくれる時もある。

一日目、強い雨。二日目は小雨と濃霧の中、カッパを着て挑むが、
稜線の強風で前に進めず、途中で敗退。
三日目の最終日、前日より強い雨だったが、懲りずにまた挑戦。
ダウンを着た上にウインドストッパーのジャケットを着てもまだ寒い。
視界ゼロだが、今度こそはと淡い期待を抱きながら、霧の中に突入。

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とりあえず頂上に着いたが、頂上での写真はカッパのフードを深々とかぶり、
霧で濡れた遭難者のような哀れな写りになった。

標高1627mのそれほど高いわけではない山だが、そこは東北、頂上の
標識に着いた霧の露は凍っていた。あまり寒さに早々と下山開始。

またいつか来ればいいさと諦めながら一時間ほど下ったその時、
目の前の霧が突然引いていった。目の前に鮮やかな光景が広がってきた。

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振り返ると、今下りてきた道も燃えるように染まっていた。
頂上はまだ霧に覆われていて見ることができないが、素晴らしい景観だった。

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栗駒山は秋には赤く燃える山だった。諦めていたけれど、
最後に姿を見せてくれて有難う。

管理本部 田倉 一美

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2017年1月 6日 (金)

エイト社員ブログ 「雲竜渓谷」

日光東照宮の裏に、冬になると滝が100%凍り、「氷の神殿」と
呼ばれる雲竜渓谷がある。
2016年2月。この冬は暖冬で、雲竜渓谷の氷も例年ほどのスケールでは
ないとネットで出ていたが、とりあえず行ってみることにした。

アイゼンとヘルメットを装着し、往復6時間ほどの行程。
アイスバーンの林道をザクザク登り、川の中をジャブジャブ渡り、
疲れを感じた頃、ようやく目の前に「氷の神殿」が現れる。 

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ブルーだ!というのが第一印象。確かに例年より氷柱は少なく、
小さめだが、それでも充分だった。

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更に先は高度も上がり、片足くらいの幅の道を慎重に進んでいくことになる。
地味に怖くて、快適な道とは言い難いのだが、ここを通らなければ
この先の雲竜瀑を見ることができない。

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雲竜瀑とは、落差100mの滝。流れ落ちた、その勢いのまま凍っているのだ。
進んでいった先に、水しぶきが一瞬にして時間が止まって
凍り付いたかのような雲竜瀑があった。今にも轟音とともに滝が動き出しそうだった。

「氷の神殿」は噂通り、神秘的で壮大な場所だった。「来てよかった」と思い、
大きな感動と心地よい疲れと共に「氷の神殿」を後にした。
感動させてくれた「氷の神殿」に感謝。

管理本部 田倉 一美

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